2008年に完成した知る人ぞ知る、大阪谷町”かむなび”さんの土間一部分が削れてきたので改修する運びとなりました。
完成時に採用した土間材ですが、昭和初期の町屋民家の台所の土間によく採用された”たたき工法”というのがあり、コンクリートがまだない当時は土を何層かに分けて、木製の専用の道具を人力で上からひたすら転圧して固めて仕上げるというものです。 現在もその仕上がり風合いがいいという事で、たたきを採用する設計者も多いのですが、当時の工法で施工というのも合理的ではないので、今は、建築建材を代表する、セメントと土をつかった言わば”モドキもん”が商品として多くのメーカーが開発販売しているので、その中の一つの商品を採用しました。
セメントは配合量によりカチカチからサクサクまで強度を調整できるのですが、この商品は土の風合いを出すためか、セメント量が少なく配合されていて、それが原因なのかどうかはわからないのですが、土足でよく通る箇所のみが、竣工後早々に凹みが出てきていたとの事です。 今回の改修で、同じものを使う訳にはいかないので、あれやこれやと独自の工法でと考えたのですが、色々難題があり結局断念。何かいいものはないかとあちらこちら探し廻った挙句、又違った”土間タタキモドキ”工法商品を生産販売しているメーカーを見つけ、スペックをみても、今度はそう簡単には磨り減らない感じだったので採用する事になりました。今後の経過に注目です。