浅はかな状況判断、それは人の生死にも関わるかも、、、

先日、奈良のお客様と打ち合わせの帰り、JR大和路線の車中での出来事でした。車中はほぼ満員身動きができない中、僕は車両の端の方に乗っていたのですが、王子駅を発車して間も無く、同車両の向こう端の方から女性の大きな叫び声が、 電車止めて! すると電車が急停車、誰かが緊急停車ボタンを押したのです。当然ザワツク車中、テロか火災か地震か!?車外にでなければならないのか?!と思ったのですが、聞こえてきたのは しっかりしてください! とまた女性の声。なんと、初老の男性が突然倒れたから電車を止めたと言うのです!それを知った瞬間僕は強烈な怒りを覚えたのですが、皆さんはどう思われますか?そもそも、電車を緊急停車させるのは乗客たち全員が車外に避難する必要がある時や電車を止めなければ乗客の安全が危うい場合などであるはずです。1人の乗客が倒れることで電車を止めるなんてあり得ない事。もしこの男性が一刻を争う緊急医療処置が必要な脳梗塞や心臓発作だったらどうするの?、こんな線路の真ん中で電車止めて救急車も入ってこれないし、車掌と運転士が状況確認して再発進するまでに結局10分以上かかっている。この10分が致命的になる事もあるわけです。数分走れば次の駅につくのだからそこで男性を病院に運ぶのが一番の方法です。しかも次の駅は八尾市民総合病院が駅横にある久宝寺駅。男性は結局久宝寺で運ばれて行きましたが、その後どうなったかはわかりません。もしこの男性が万が一最悪な事になっていた場合、緊急停車ボタンを押した人間に責任はないのでしょうか?押したのは大人です。もちろん大人だからすべてが優れた人間と言う訳ではありませんが、この状況判断は最悪としか言いようがありません。

そして、昨日これと同じような事がおこってニュースになってましたが、なんでも臨月の女性が車中で破水し電車を緊急停車させて、たまたま車内に産婦人科で看護師経験がある人物いて車内で産んだというのです。メディアはすばらしい!との絶賛報道モードでしたが、数分走れば駅に着くわけですから、そこで救急隊員が来れる体制で緊急処置をするべきで、電車を止めたらいけない事も併せて報道してほしいものです。そして批判があるかもしれませんが、この妊婦さんもいつ生まれてきてもおかしくない状態で電車に乗るなんてのも全く理解できません。正しい移動方法はタクシーでしょう。

緊急事態が起こった時、僕もそうかもしれませんが、冷静な対応が出来るかどうか難しいと思います。だから出来れば携わりたくないと知らない顔をする人がほとんどの中、間違いではあるが、善意でボタンを押した事に限っては評価できます、が、やはり、浅はかな状況判断だと個人的には思ってしまいます。