2000年頃に会社事務所の一部を全面改装して、来客用の応接室を造らせて頂きました。会社事務所玄関から奥の応接室へお客様をお通しするのではなく、外部から直接入室いただくスタイルなので、入り口部のファサードも少しインパクトあるものとなっています。
今回はそのファサードの木製外壁と内部の木部の竣工以来2度目の塗り替えです。設計も1度目の塗り換え時も木部塗料には柿渋を採用していたのですが、内部の柿渋はとてもいい感じに味あじが出ていて補修程度で十分だったのに対し、外壁は再度柿渋採用とすると、表層の汚れた層の部分を研磨して塗り換えないと本来の柿渋の色が発色する事を期待出来ないような状態で、仮に全部研磨するとしても費用が嵩むし、美しい仕上がりになるという事があまりイメージ出来なかったので、今回は思考を変えて植物性の浸透性オイルを採用する事にしました。
よく採用するドイツ製の木部専用塗料で、高価ですが当社が以前に採用したものでは、現在で3年3ヶ月経った物件がありますが、ほとんど色落ちせずに美観を保てているという優れものです。ただ、写真を見てもわかるように塗装前の外壁には、変色度合いが全然違っている部分があり、その部分に関してはある程度洗浄研磨するにしてもうまくいくか不安でしたが、仕上がりは予想以上にうまくいき、コストも、材料は高くつきましたが結果的に総合では安くおさえる事が出来て、お客様の評価も高く、やった感の溢れるお仕事にする事が出来ました。