境界ブロック塀の老朽

概ね築40年の住宅で、境界ブロック塀の目地が割れてきていると顧客から連絡が入り現場視察に行ってきました。

ひび割れは予想以上に酷く、構造、景観共に悪い状態でした。ブロックは、セメントと鉄筋を使って積み上げるのですが、セメントを縦と横の接着部の目地と、縦の鉄筋が入る空洞部に詰め込み、横の鉄筋部分は空洞のままです。縦の鉄筋部に詰め込むセメントは隙間なくしっかり詰め込まないと月日が経つと水が浸み込み鉄筋を酸化させ、錆により鉄筋が膨張し目地割れを起こします。

目地割れの原因にはそもそも基礎が悪いというのも多いのですが、このお宅の場合、話を聞くと、阪神淡路大震災以降からという事なので(結構影響があった地区)地震で地盤が動き基礎からひびが入りブロックの目地も割れてしまい、そこから現在まで少しずつ水が浸入して現在のような状況になったのではないかと思います。外力が掛かると鉄筋にその力が一番に伝わるのでブロックは概ね鉄筋が入っている部分が割れます。基礎がとても大事な構造なのです。

今回の場合はブロックとブロックの目地が取れてしまい絶縁状態になっている箇所もあり、最早補修程度では済まされない状態でしたので、構造的な最善の方法は、境界塀のやり変えをするしかないかも知れない事をお話させていただきました。安全面で早く解決しなければならない物件です。ブロック塀

 

写真赤いラインが鉄筋の入っているところ。すべて割れています。